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【美術館】アートとはなにかー浮世絵にみる芸術論ー

原宿にある太田美術館にある歌川広重没後160年展示に行ってきました。

歌川広重といえば
雨を黒い斜線で描いたり、画面手前にあえて遮蔽物を置くことで奥の遠近感を増加させる演出で有名です。

中でも大はしあたけの夕立は印象派の巨匠ゴッホに模写されたことはあまりに有名です。

「大はしあたけの夕立」

「ゴッホ模写」

◯アートといえば?

・小難しい
・綺麗で好き
・インテリアピールの道具
・言いたいことはわかるが気持ち悪い
等々あると思います。

それでは美術作品は人類に何をもたらしてきたのでしょうか。

例えば生まれてこのかた、
絵画等の美術作品を全く見たことがないとします。

そこで、色鉛筆を与えられ「雨」を描いてください。
という課題を与えられました。

その中で、私たちは雨をどのように描くでしょうか。
・点々を散りばめるでしょうか。
・傘だけを描いて雨が降っていることを表現する方もいるでしょう。

ひるがえって時は江戸時代、広重は雨を黒い斜線で表現したのです。

それを見て印象派の画家たちは驚嘆します。

「雨をこのようにみせることが出来るのか!」
はたまた
「広重には雨がこのように見えているのか!」と。

これがアートの一端です。

夏場
蝉がしんしんと鳴いているのをうるさいと感じる人がいるかもしれない。

これを
「静けさや 岩にしみ入る 蝉の声」と表現し、静寂の中に鳴り響く蝉の鳴き声が美しいと表現したのは松尾芭蕉です。
芸術はこれまで見えていなかった世界を切り取り、表現し、
世界の見え方を、世の中に対する考え方を変えて
きました。

◯今回の歌川広重展示を見ていきます

私が勝手に考えている広重の美しさは

①朧げに霞んでいく中での美(幽玄)

②構図的面白さ(遠近法)

③青の色味(ヒロシゲブルー)

です。

朧げに霞んでいく中での美(幽玄)

「庄野 白雨」

墨で柔らかく塗りつぶしたりした表現が霞んだ中での美しさを感じさせます。


構図的な面白さ
モチーフを正面から捉え、透視図法で遠近感を誇張するものが用いられています。
広重が好んだ技法なんだとか。

「名所江戸百景 水道橋駿河台」

「名所江戸百景 深川萬年橋」

実際より大きく見せたり、意図的に小さくしたりと自由自在です。

「東都名所 佃島海辺朧月」

「武陽金澤八勝夜景」

こちらでは真夜中を明るく表現することで満月の明るさを表現しています。

青の色味(ヒロシゲブルー)

個人的に
本展覧会一番のヒットだったのはこれ!

「近江八景 唐崎夜雨」

海をあえて、塗りつぶして描かないことで
真っ青に描く以上に想像力をかきたてられます。

濃淡やぼかしにこの上ない深みを感じ、
その上にある島も浮かび上がっているようです。

逆にこちら「猿わか町よるの景」では

「猿わか町よるの景」

空を単色で描くことで
奥行き
を感じます。
木戸が途方もなく小さく描かれ、
奥に吸い込まれそうです。

「江戸名所亀戸天満宮境内」

正面から橋を見て、
手前の橋を大きく膨らませて描き、
奥の建物を細かく遠く詳細に描くことで奥行きを出す美しさ。

「両国橋花火の図」

1つの塊から複数が炸裂するような
星から光が分散するような表現。

構図にこだわり、今風に言えば
映像作家のようでとんでもなく面白いです。



#エッセイ #ルポ #現地ルポ #美術館 #浮世絵

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