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阿波踊りの本質は超参加型観光にあり

詳述は避けるが、
2018年の阿波踊りは開催が危ぶまれていた。

阿波踊りまつりの利権を巡って、
観光協会vs徳島市長&徳島新聞の対立が表面化したことに端を発し、争いが続いている。これまで観光協会に4億もの赤字があったが、補助金でなんとか運営していた。だが、徳島市との対立表面化により徳島市から観光協会への補助金が断たれた。これにより観光協会は破産。一時は阿波踊りの開催が危ぶまれたが、徳島市が改善に乗り出し
4つの有料観覧席に有名連(踊りの上手い人たち)を分散し、
有名連を各場所に散らせることで、チケット料の増収を図った。

阿波踊り存続のため
お金を落とす仕組みとして、これはより良い選択だったのか。

現地に直接乗り込み、その目で見聞きしたことを書きたいと思う。


17時半徳島県徳島市、私は新町橋たもと(徳島駅近くの橋)の野外ステージにいた。

有料観覧席である藍場浜の演舞場のチケットを持っていたが、街全体がどのように阿波踊りムードになって行くのか見たいと思い、街の中心部に陣取った。

17時頃までハッピや踊り手の格好した人はチラホラいたが、
阿波踊りの聖地にしては「静か」というのが第1印象だった。

空襲で焼けたあとの戦災復興建築やシャッター通りの商店街、
衰退しつつある地方都市の悲哀を噛みしめながら、時刻は18時を回った。

すると祭囃子がそこらじゅうから聞こえ始める。

「はて、この祭りはゲリラ的に始まるのかな」
そう思っていると威勢の良いかけ声が聞こえてきた。
「はー!え〜らやっちゃ、え〜らやっちゃ!ヨイヨイヨイヨイ!」
見ていた橋のたもとの演舞場で小気味よい祭囃子とともに2歳から60歳まで踊り狂う。

心地いいことこの上ない。

夏の花火大会で
大きな花火が夜空を彩りながら
街の人々が好き勝手に
手持ち花火を炸裂させているような感じだ。

ある種の祝祭性を帯びている。

道路上では次々に舞が披露され、見ているこっちまで気分が高揚してくる。

そうなると、参加して、踊りたくなるのが人情だ。

どうやら当日参加のにわか連というものがあるらしい。
踊り方までレクチャーしてくれる。

だが、実際は素人がほんの少しの玄人を交えつつ、
踊ってるのみでなおかつ、踊らされている感が強い。
個人的に求めているのはこれではない感・・・

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次に有料観覧席へと向かった。
明るく綺麗な衣装と華やかな踊りが列をなし、鑑賞物として見事であった。しかし街で自然発生している踊りを見る方がやはり面白い。

有料演舞場では優等生的に踊らされている感が強く、
無料演舞場がハレ=遊びなら
有料演舞場はケ=仕事のようであった。

15分ともたず、元の無料演舞場へと戻る。

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体を動かしたい欲を必死に抑えながら周辺をビール片手に放浪していると、
小さな円を作りながら、思い思いに踊っている集団を見つけた。
ざっと40人くらいだろうか。
側の壇上では、代表のような男が祭囃子を口にし、それを中心として群衆が円になっていた。
それは熱気の渦となって阿波踊りを周囲に拡散していた。
そして繰り返される祭り囃子

「ヤットサー、ヨイサーヤットサー ア、ヤットヤットヤットサーヤットサーア、ヤットヤット踊る踊りは阿波踊り」
「一かけ二かけ三かけて四(し)かけた踊りは止められぬ五かけ六かけ七かけて八(や)っぱり踊りは止められぬ」

私の踊りたい欲は我慢の限界を超え、ついにその踊りになだれ込んだ。

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縁の中で、囃子に合わせて叫ぶ、踊る、跳ねる。
あまりに興奮して踊り狂っているせいか。
周りの人間に「お前のノリは最高じゃ!」と言われ、
謎の一体感が芽生える。

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その刹那、私は「これだ!!!」と思った。

綺麗で優等生的で仕事的な阿波踊りは阿波踊りではない。
こう自然発生的に動かしたいままに体を動かし、参加し、

一緒に阿呆になるのが阿波踊りなのだ。

私が参加した1日前
阿波踊りの名物「総踊り」が強行された。
その様たるや、なんと阿波踊り的だろう。。。(阿波踊り素人が出しゃばりましたすいません。)

その昔、権力者が阿波踊りが一揆に発展することを恐れ、阿波踊りを禁止にしたことがあったそうだ。
その都度、それに立ち向かい阿波踊りは復活を遂げてきた。

平成の世も末となり財政難になってしまった、阿波踊り。

それを有料観覧席と有名連の分散によって、解消しようとした。
しかしそこで出た批判。
そもそも阿波踊りの鑑賞でお金を取ることはできない。
キラーコンテンツを無くして、特徴のない商品を作るなど言語道断だ!

いや。そもそも阿波踊りのエンタメとしての本質を取り違えていないだろうか?

現地には毎年、阿波踊りを求め数多くの有名人が来ている。
東京大学関係者を中心とする東大連には堀江貴文さんやチームラボの猪子さん、キングコングの西野さんなど。

彼らが有料観覧席で指くわえて楽しそうな行事を見ているだけだろうか?

否!!

皆、ハッピを着て参加しているのである。

エンタメとしての阿波踊りの本質は、
①誰でも参加できること
②ノリが良く参加しやすいことにある。

言い換えれば超参加型観光コンテンツであることにある。

そこで、提案したいのは有料ハッピチケットの導入である。
有名連等の連の踊りを見る時間は残しつつ、
ハッピを購入した人ならそれを着て誰でも参加できる
時間もしくは日を設ける。

その名も
「AWAODORU〜阿波踊る〜」

老若男女・上手い下手を問わず、町中で踊り狂う。
日本で一番阿呆な踊りの祭典。

日常の鬱憤を発散させる場所として全国から多くの人は集まり
本物の総踊りを日本全国の人々と作り上げる。
渋谷で車をひっくり返すエネルギーを全て阿呆な踊りに注ぎ込む!!

そのためには雑踏警備や秩序、人混み等解決しなければならない問題は確かに多い。

しかし、
ハッピの売り上げによる客単価のUPそれによる警備体制の強化にも取り組めるだろう。

結論

ハッピでハッピー阿波踊り

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元旅行会社社員が書く日本再発見カルチャーマガジン。 含まれる成分「レトロ 街歩き 音楽 小説 旅 建築 博物館 美術館 SF ジャンクション 廃墟 遊園地 ディープな飲み屋 純喫茶」フォローしていただけると、嬉しくて画面の向こうで踊ってます。
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