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沖縄国際通り〜リセットされた街〜

那覇一の観光地、国際通り。

現地住民に聞いたところによると、沖縄の人はほとんど行くことはないという。
確かに歩いてみると、海人Tシャツ、シーサーの置物、ダダ漏れの琉球音楽、小綺麗な料理屋等々押しつけがましいくらいに「沖縄らしさ」に溢れている。

THE BOOMのボーカルが沖縄出身でないように本土の人がイメージする沖縄像に溢れている。

作られていない沖縄を探そうと裏通りを歩いてみる。

来た来た。

こういう沖縄が見たかった。

しばらく歩くと闇市由来の公設市場が顔を出す。

戦後の混乱期、実際に出回る食料だけでは到底暮らしを立てることは出来ず、生活必需品を求め、各地で人が集まりやすところへ闇市がたった。

ひるがえって、ここ、牧志の公設市場。

闇市がここまでまるごと残っているのも珍しい。

早速、中へ入ってみる。
そこではフグがサングラスをかけていたり、カニが生きたまま展示してあったり、南のグロテスクな魚たちがこれでもかとそこにはあった。

東京にも新宿のおもいで横丁、吉祥寺のハモニカ横丁のような闇市上がりの横丁が残っている。しかしそれはディズニーランドのアトラクションのように小綺麗で作られた昭和の横丁である。これはこれで楽しいのかもしれないが、ここの闇市の純度は殊更に高い。

歩けば歩くほどに心掴む闇市が顔を見せるが、ここで少し引っかかることがあった。

国際通り周辺で1945年以前の建物が見えない。

どこをどう歩いても、1945年以前の歴史が見えない。
いわゆる
米軍による銃剣とブルドーザーによる接収で道も丘も区画整理され、上に建つ建物は戦争による砲撃で亡き者にされた。


建築を見たくば、とっておきの場所がある。

美ら海水族館の隣、おきなわ郷土村と呼ばれる場所だ。

戦争で破壊されることのなかった沖縄の建築を時代・階級ごとに見事に再現している。
観光客が少ないのが不思議なくらいだ。

どこか東南アジア系の色彩を帯びていながらも中国風の趣味を帯びているのが面白い。

戦争の激しかった南部を主に歩き見たが、こういった建築はついぞ見ることがなかった。

国際通りに立ち並ぶ店に、部分的には残っている。

しかし

沖縄南部の歴史の香りは一度、完膚なきまでに滅んでいるのかもしれない。

人の言葉・音楽は残れど、
暮らしや道や建物は戻らない。
一度破壊したものをそっくりそのまま立て直そうとも、歴史の文脈がない建物は薄っぺらいことこの上ない。



沖縄。

マリンスポーツの街。日本にある異国。基地の島。


様々な業を背負ったこの島の音楽はしかし底抜けに明るく心を掴んで止まない。


#エッセイ
#随筆
#街歩き

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遠くへ行きたい。

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沖縄らしさとはなんだろうか? アメリカ・中国・日本・縄文・東南アジア 様々なものが入り組み混ざり合う。 文化のるつぼたる沖縄を総力叙述。
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